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忙しい朝も栄養補給!スイスに学ぶ手間をかけない朝ごはん

忙しい朝も栄養補給!スイスに学ぶ手間をかけない朝ごはん

赤枝 いつみ

監修
赤枝 いつみ
公衆衛生分野での職務経験豊富な日本栄養士会の常任理事
  • テキスト
    五十嵐ゆかり(監修・画像提供:木村顕(WORLD BREAKFAST ALLDAY))

2017年09月19日[2017年10月16日更新]

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管理栄養士・料理研究家の五十嵐ゆかりです。この連載では、世界各国の朝ごはんを提供している東京・外苑前のレストラン「WORLD BREAKFAST ALLDAY」とコラボレーションし、毎回1つの国をピックアップして、その国の朝ごはんや食文化、ライフスタイルなどについて、管理栄養士の目線からご紹介しています。

日本とは異なる魅力を持つ世界の朝ごはんには、毎日の朝ごはんをさらに楽しくしたり、日々の健康や美容を支えたりするためのヒントが隠されています。世界の朝ごはんをご紹介することを通して、みなさんの生活がよりヘルシーに、より楽しくなるきっかけとなりましたら嬉しく思います。

前回は、温かくて消化に良い中国の朝ごはんについてご紹介しましたが、今回取り上げるのはスイスの朝ごはんです! 『アルプスの少女ハイジ』でも有名なスイスから、忙しい朝も気軽にチャレンジできる朝ごはんのアイデアを見つけました。

五十嵐ゆかり(管理栄養士・料理研究家)

1987年生まれ、千葉県出身。気軽に取り入れられるグルテンフリーレシピや減塩でもおいしく作れる料理のコツなど、美容や健康に嬉しいレシピを提案している。企画、レシピ・商品開発、執筆、メディア出演、講演、イベント出演、料理教室など、多方面で活動中。出身地の千葉県長生郡睦沢町のPRをするなど、地域活性化活動にも取り組んでいる。著書に『食材の栄養素を最大限に引き出す便利帖』や『発酵いらずのちぎりパン』など。

ブログ:http://lineblog.me/igarashiyukari/
Twitter:https://twitter.com/igarashi_yukari
Website:http://foodcreativefactory.com/



WORLD BREAKFAST ALLDAY

「朝ごはんを通して世界を知る」をコンセプトに、2か月ごとに国を変えて世界各国の伝統的な朝ごはんを紹介しているレストラン。

住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-1-23
電話番号:03-3401-0815
営業時間:7:30〜20:00

Website:http://www.world-breakfast-allday.com/

キーワードは「多様性」! 隣接国から影響を受けたスイスの食文化に学ぼう

朝ごはんについてご紹介する前に、まずはスイスの食文化についてご紹介します。

スイスの面積は日本でいうと九州ほど。小さな国ではありますが、食文化は多様です。フランス語、イタリア語、ドイツ語、ロマンシュ語と4つの言語が話されていて、隣接する国の言語を使っているのはもちろん、それらの国の食文化の影響も大きく受けているところが特徴です。

また、スイスといえば有名なのが、国土の6割を占めるアルプス山脈。山麓には広大な放牧地があり、昔から酪農が営まれてきました。牛乳の生産が中心で、チーズやヨーグルト、バターなどがつくられています。なかでも、山岳地域で交通の便が良くないため、加工品として長期保存が可能なハードタイプのチーズが多く作られてきました。

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地域によって言語も食文化もさまざま(イラスト:WORLD BREAKFAST ALLDAY)

フランス語圏から影響を受けたスイス料理で有名なのは、「チーズフォンデュ」。冬場には週1回というほど、よく食べられている料理の一つです。日本ではさまざまな具をディップしますが、スイスで用意するのはパンのみだそう。チーズは、世界的にも有名なエメンタール(「チーズの王様」と呼ばれる、スイス生まれの硬質チーズ)が使われます。

また、日本の飲食店でもよく見かけるようになったラクレットチーズも有名です。チーズの名前からとられた「ラクレット」という料理は、温めたラクレットチーズを半分に切り、茹でたじゃがいもにトロリとかけて食べるシンプルなもの。どちらの料理ももともとはフランス語圏で食べられていましたが、いまではスイス全土で食べられているのだそう。

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素朴でおいしい「ラクレット」(画像提供:WORLD BREAKFAST ALLDAY)

フランスだけでなく、イタリアやドイツ料理の影響も。おいしい料理を食べるための工夫

スイスのイタリア語圏では、ピザやスパゲッティが食べられていますが、「ポレンタ」も有名です。こちらは、とうもろこしの粉をお湯やだし汁で煮て塩味をつけた料理で、肉や魚料理のつけ合わせとして食べられています。

ドイツ語圏の料理で有名なのは、「レシュティ」。細切りしたじゃがいもをパンケーキのように丸い形に広げて、こんがりと焼き上げて作ります。メイン料理としてだけでなく、ごはんやパスタのような役割として食べられることも。チーズや目玉焼きを乗せたり、玉ねぎを混ぜるなど、アレンジが加えられることもあるようです。また、「ブラートヴルスト」という豚肉と牛肉でつくられた、濃い目の味で皮が柔らかいソーセージも定番です。屋台やレストランで見かけますよ。

さらにドイツ語圏の山岳地域には、「アルペンマカロニ」という伝統料理があります。マカロニとじゃがいもを茹でてチーズを絡め、ソテーした玉ねぎをかけて食べるシンプルな料理です。この料理の材料からもわかるように、すべて長期保存がしやすい食材が使われています。高く険しい山々で食料の調達がしにくくてもおいしい料理がつくれる工夫がなされているのですね!

日本でも寒い地域ほど、長期保存がしやすい食事が根づいていますが、厳しい環境下でもおいしい食事が食べられるような料理の工夫はスイスでもみられるのです。

忙しい朝でもすぐに食べられる、素材の味を生かした朝ごはん

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スイスの朝ごはん(画像提供:WORLD BREAKFAST ALLDAY)

さて、そんなスイスではどんな朝ごはんが食べられているのでしょうか? 「WORLD BREAKFAST ALLDAY」では、こちらのメニュー(上写真)を提供していたそうです。

写真を見てみると、パンやミューズリー(シリアルの一種)、干し肉、チーズ、レシュティなどを組み合わせて食べられているようですね。レシュティ以外はあまり調理の必要がなく、すぐに食べることができるので、忙しい朝にぴったりなメニューです。手の込んだ料理ではなく、素材の味を生かした素朴さを感じます。

「WORLD BREAKFAST ALLDAY」で実際に提供されていたメニューをそれぞれご紹介します。

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パン

スイスには、各地に地域ごとの風土を反映した、さまざまな種類の個性的なパンがあります。なんと、200~300種類もあるのだそうです。スイスというとアニメ『アルプスの少女ハイジ』が有名ですが、ハイジがおばあさんへのお土産に持ち帰った「ゼンメル」という白パンは、いまでも日常的に食べられているのだそう。また、ハイジが山で食べていた全粒粉の黒パンも、ビタミンや食物繊維が豊富で健康志向の人に人気です。

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ミューズリー

ミューズリーは、牧童が食べていた伝統的な食事をヒントに、スイス人医師のビルヒャー・ベンナー氏が1900年頃に長期的な療養を必要とするサナトリウムの患者向けに考案したとされています。日本でも人気のグラノーラと同じ、シリアル食品の一つで、ミルクやヨーグルトでふやかしたオーツ麦とドライフルーツやナッツなどを混ぜて食べられています。1960年代の健康ブームの影響によって、いまではスイス以外の欧米の国々でも一般的に食べられるようになりました。現地のスーパーでは、さまざまな種類のミューズリーが豊富に揃っていますよ。

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ビュンドナーフライシュ

ビュンドナーフライシュは、スパイスを配合した調味液につけた牛肉の塊を乾燥させて、カンナのような道具で薄く切って食べるドライビーフです。もともとは、屋根裏や山小屋の軒下など、風通しの良いところに吊るしてつくられていた山岳地域の保存食の一つ。『アルプスの少女ハイジ』の原作の舞台となったグラウビュンデン州の名産で、ハイジやペーターもよく食べていました。

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チーズ

チーズもパンと同様、地域ごとに種類が豊富にあります。なかでもフォンデュに使うグリュイエールや穴の空いたエメンタールは世界的に有名なスイス産のチーズです。

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レシュティ

じゃがいもの細切りをパンケーキのような形にして表面がカリカリになるまでフライパンで焼いた料理。もともとドイツ語圏であるベルン州の農民が朝ごはんに食べていたとされる料理ですが、いまではスイスの各地で食べられている国民的な料理の一つです。目玉焼きを乗せたり、野菜を乗せたりとさまざまなバリエーションがあります。

ちなみにこれらのメニューでは炭水化物、たんぱく質、脂質がとれますが、野菜はほとんど食べれません。健康維持に不可欠とされる食物繊維は、パンやミューズリー、レシュティのじゃがいもからとっているようですね。

野菜とナッツをプラスすれば、栄養バランスがさらにアップ。スイスの朝ごはんからヒントを学ぶ

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画像提供:WORLD BREAKFAST ALLDAY

スイスの「素材の味を生かした朝ごはん」に習い、朝食に取り入れられるアイデアをいくつか考えてみました。

上でご紹介した通り、スイスの朝ごはんは、パンやミューズリー、干し肉、チーズ、レシュティなどを組み合わせたシンプルなもの。火はあまり使っていませんね。「朝ごはんは食べたいけれど、つくるのにあまり時間がかけられない!」という方にこそ、スイスの手間をかけずにつくれる朝ごはんのアイデアは取り入れやすいのではないでしょうか。

気軽に取り入れるなら、パンとミューズリーはいずれかでOK。干し肉の替わりに生ハムやハムを、チーズはカット済みのお好みのものを用意しましょう。これで、炭水化物とたんぱく質、脂質をとることができますよ。レシュティのような、少し手をかける料理は、時間に余裕があるときにつくってみてもいいですね。

これらの食事にぜひプラスしてほしいのが、野菜とナッツ類です。ビタミンやミネラル、食物繊維を補うことで、栄養バランスをさらに良くします。加熱もカットも不要なサラダを用意すれば、あまり時間をかけることなく用意ができますよ。

おすすめなのは、ベビーリーフ、ミニトマト、クルミなどのナッツ類をお皿に盛って、オリーブオイル、酢、塩をかけるだけで完成のシンプルなサラダ。野菜を何種類も用意して切るのはやや時間がかかりますが、これなら包丁いらずで盛りつけるだけだから、忙しい方でも気軽につくれるのではないでしょうか。

今回は、スイスの朝ごはんを紹介しました。スイスの朝ごはんから学ぶアイデアを取り入れて、ヘルシーでおいしい朝ごはんをぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。

五十嵐ゆかりさんの朝ごはん連載一覧

vol.1 健康にも美容にも嬉しい!中国に学ぶ温かくて消化に良い朝ごはん
vol.2 忙しい朝も栄養補給!スイスに学ぶ手間をかけずにつくれる朝ごはん

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