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お酒を飲まなくても怖い、自覚症状のない「脂肪肝」

お酒を飲まなくても怖い、自覚症状のない「脂肪肝」

新井 英一

監修
新井 英一
栄養素の代謝に魅了され、人間栄養学を支える研究教育者
  • テキスト
    ニュータス編集部

2018年10月12日[2018年11月07日更新]

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「肝臓の現代病」といわれ、近年増えているのが脂肪肝です。
肝臓に脂肪が必要以上にたまった状態です。
肝臓の病気は、お酒の飲み過ぎが原因というイメージが強いので、「自分には関係ない」と思っていませんか? ところが、アルコールを飲まない人や女性にも脂肪肝が増えているのです。


肝臓は沈黙の臓器、症状がでない 

肝臓には、アルコールを解毒する働きがあることはご存知のかたも多いでしょう。それ以外にも多様な機能を持ち、体の中で1番大きく、「肝心かなめ」といわれるように、とても重要な臓器です。

お酒の飲み過ぎや食べ過ぎが続くと、肝細胞の脂質の処理機能が追いつかなくなります。

肝細胞の機能が低下すると、肝細胞に脂肪が沈着してきます。そして、肝細胞の3割以上に脂肪が沈着した状態を脂肪肝といいます。

多くの生活習慣病とおなじで、初期の段階では自覚症状がありません。

とりわけ肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるくらいですから、脂肪肝では痛くもかゆくもなく、健康診断(血液検査)で脂肪肝だと気付く人が、ほとんどです。


お酒を飲まない人の脂肪肝も、増えている

アルコールが肝臓に悪いことは、一般的に知られていますね。勘違いしやすいのが、いわゆる「お酒の強い人」です。

「肝臓が丈夫で、いくら飲んでも肝臓に負担をかけない」と思っている人もいるようですが、そんなことはありません。

お酒を飲んでも酔わない人も、肝細胞はダメージを受けています。
アルコール性の脂肪肝は、その段階であれば比較的元に戻りやすいので、禁酒をすれば改善することが多いです。

でも、「酒豪」を誇って飲み続けていると、脂肪肝から肝炎や肝硬変など重い病気へ、さらには肝がんへと移行することさえあります。

肝臓にダメージを与えるのは、アルコールだけではありません。


食べ過ぎと運動不足にも要注意

「お酒を飲まないから、肝臓の病気は関係ない」は大きな間違い!
飲み過ぎのほかに注意したいのが、食べ過ぎと運動不足です。

運動もせずに、エネルギーオーバーの生活を続けていると、しだいに肝臓に脂肪がたまっていきます。

お酒を飲まなくても、肥満傾向の人に脂肪肝が多いのも、このためです。
近年、増加が心配されているのが、お酒を飲まない人でも肝細胞に脂肪がたまる、この非アルコール性の脂肪肝です。


肝硬変や肝がんになる可能性も

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肝細胞に脂肪がたまるだけの単純性脂肪肝は、それほど心配することはありません。そこに、加齢や糖尿病やストレスなどが加わって炎症が起き、「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」になると、やっかいです。

このNASHの一部は、肝硬変や肝がんになる可能性があることが、近年わかってきたのです。お酒を飲まないからといって油断は禁物です。

まとめ

脂肪肝の段階なら怖い病気ではありませんが、そのまま見過ごしていると様々な病気のリスクが高まるため、早期発見・早期治療がとても重要です。

日頃の生活習慣を見直し、健康診断で肝機能項目を定期的にチェックすることを心がけたいですね。

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