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栄養の知識

あふれる食情報に惑わされない!ポイントは「ヒト」と「量」

あふれる食情報に惑わされない!ポイントは「ヒト」と「量」

赤枝 いつみ

監修
赤枝 いつみ
公衆衛生分野での職務経験豊富な管理栄養士
  • テキスト
    ニュータス編集部

2018年10月26日[2018年11月14日更新]

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栄養素が活躍する舞台は、私たちの体の中なので、実際にどんな働きをしているのかは、残念ながら見られません。
「あれに効く」「これでやせた」と、ネットやテレビなど様々なメディアから情報が発信されていますが、効果がないばかりではなく、食品の過剰摂取により、かえって食生活がゆがむ可能性も秘めています。
そうならないために、最近報告された食物繊維に関する新たな研究結果をもとに、「食情報の受けとめかた」を考えてみましょう。

不要の栄養成分と考えられてきた食物繊維

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近年、その機能が注目されている食物繊維は、かつては"不要な成分"だといわれていました。

人体では消化・吸収されない炭水化物なので、エネルギー源にはならないし、栄養素としての役割も期待できないと考えられてきたのです。

しかし、半世紀ほど前からさまざまな研究が行われ、食物繊維の栄養機能が明らかになってきました。

便秘の予防や解消、血糖値の上昇をおだやかにする、コレステロールの吸収を妨げ排泄を促す・・・などなどです。

厚生労働省が5年毎に改訂している「日本人の食事摂取基準2015」では、それ以前にはなかった、6~17歳における目標量が、新たに設定されました。

健康長寿には、小さい頃から、食物繊維(や、もちろん他の栄養素も)を適切にとることが大切だということです。

脂質が多く・食物繊維が少ない傾向にある、いわゆる欧米型の食事は、ある種の生活習慣病のリスクを増やすと考えられています。

そのため、日本だけではなく世界各国で、食物繊維の働きに注目した研究が行われています。


ヒトが対象の研究か?どのくらい食べさせた研究か?

最近、海外で行った実験で「食物繊維は腸内細菌のエサになり、腸内の環境を改善しダイエット効果をもたらす」という研究が発表されました。

食物繊維の新たな機能だといえます。

新しい栄養効果を伝える記事を目にした時の、チェックポイントを2つ紹介します。

ひとつ目は研究対象が「ヒト」であるかどうかです。


今回の研究の対象はマウスでした。
動物で効果があっても、ヒトでも同じように作用するかどうかはわかりません。

ふたつ目が「量」です。

この実験でマウスが摂取した食物繊維の「量」は、エサの20%もありました。
この分量をヒトが食品で摂取するのには無理があります。

動物実験はメカニズムを知るきっかけにはなりますが、それをヒトに当てはめるわけにはいきません。

まとめ

食品は薬ではないので即効性はありません。
毎日、洪水のように氾濫する研究報告は専門用語が多いため、解読もひと苦労です。

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その一方で、メディアが流す「○○という成分は▲▲に効く!」というわかりやすい言葉は、たとえ不正確ではあっても刺激的です。
しかし、食品は薬ではないので、「即効性は期待できない」と考えるべきです。

食物繊維は、野菜、果物、キノコ、豆、芋、玄米などの食品に多く含まれています。

細かな機能ばかりにとらわれずに、それらをしっかりとり、基本の食生活を守ることが、健康への近道といえるでしょう。

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